工事保険と賠償責任保険の違いは?建設会社が確認したい補償の範囲

労災・建設業

「現場の保険」と呼んでいても、工事の物を守る備えと、他人への賠償に備えるものでは役割が違います。建設会社が契約を確認する際に、事故の場面をどのように分ければよいかを整理します。

まず、誰の何に損害が出るかを考える

工事中の建物が損傷する、資材が被害を受ける、作業で近隣の車を傷つける。いずれも現場で起こる出来事ですが、被害を受ける物や所有者、会社が負う責任は同じではありません。現場で起こりそうな事故を挙げ、工事の対象物への損害か、周囲の人や物への損害かを分けると、問い合わせる内容が明確になります。

STEP 01
分類

工事の物と周囲の人・物を分ける

STEP 02
確認

対象・期間・管理状況を契約と照合

STEP 03
共有

事故の記録と問い合わせ先を整える

工事保険で確認すること

工事保険を調べるときは、施工する建物や設備、資材、仮設物など、何を保険の対象としているかを確認します。新築と改修、建築と設備工事では、対象の設定が異なる場合があります。火災や風水害などの原因だけでなく、対象となる場所、工事期間、保管中や運搬中の扱いも確認点です。現場にある物すべてが対象になると考えず、契約書類で範囲を確かめましょう。

賠償責任保険で確認すること

請負業者賠償責任保険などを調べる際は、作業に伴い他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりしたときの法律上の損害賠償責任に着目します。ただし、作業している物自体、預かっている物、仕事が終わった後の事故などは、契約や特約によって扱いが異なります。「他人の物だから補償される」と判断せず、所有者と管理状況、作業との関係を伝えて確認してください。

POINT

工事保険と賠償責任保険は、確認する損害の視点が異なります。どちらか一つの名称だけで、現場全体の補償を判断しないことが大切です。

一つの事故に複数の損害がある場合

足場や資材に被害が出ると同時に、隣の建物にも損傷が広がるなど、一つの出来事に複数の損害が含まれることがあります。その場合は、物ごとの所有者、被害の内容、発生場所を分けて記録します。加入している複数の契約が関係しそうでも、重複して受け取れると自己判断せず、契約先に情報を共有しましょう。修理の見積もりも、どの部分の費用か分かる形に整理すると確認に役立ちます。

違いを知ったら、予防と連絡も整える

補償の確認と並行して、養生や資材の固定、周辺への立入管理、天候が悪化したときの作業判断も見直します。事故が起きた場合は人の安全と被害拡大の防止を優先し、現場責任者や必要な関係先へ連絡してください。責任や支払額をその場で確約する前に、事実と契約の確認を進めることが大切です。日頃から担当者と代理の連絡先を共有しておきましょう。

自社で確認したいこと

  • 施工する物と、既存の建物・周辺の物を区別していますか。
  • 対象となる期間や場所、特約を確認していますか。
  • 複数の損害を物ごとに記録できますか。

新規の保険相談・ご契約内容の確認をご希望の方へ

新たに保険への加入をご検討の方や、事業に必要な保険について相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。

現在ご加入中の保険の見直しや契約内容の確認も承ります。保険証券をお手元にご用意いただくと、確認がスムーズです。

リスクマネージメントサービス:052-443-4434

名古屋市・あま市・清須市・津島市・稲沢市・一宮市・北名古屋市など尾張地域をはじめ、愛知県・岐阜県・三重県の皆さまへ。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の保険商品の勧誘・推奨を目的とするものではありません。民間保険の補償内容、対象、免責事項、保険金の支払条件等は、保険会社・商品・契約内容・事故状況等によって異なります。詳細は各保険会社のパンフレット、重要事項説明書、約款等をご確認ください。

参考

参考資料は制度やリスク、保険の一般的な仕組みを理解するためのものです。個別契約の補償内容や支払可否を示すものではありません。

← 記事一覧に戻る