事故対応/建設業
外構工事や基礎工事、解体工事などで、地中の水道管・ガス管やケーブルを傷つけてしまったら、どう対応すればよいでしょうか。
埋設管の破損は、修理だけでなく、漏水やガス漏れ、周辺施設の利用への影響も考える必要があります。建設会社や工務店、一人親方が確認しておきたい初動と、工事の賠償責任保険を確認する際のポイントを整理します。
埋設管を傷つけた可能性があるときの3STEP
安全な場所へ離れる
管の管理者と現場責任者へ報告
安全を確保してから記録する
STEP1 作業を止め、安全な場所へ離れる
重機の接触や配管の損傷が疑われたら、関係する作業を中止し、周囲の人にも危険を知らせます。
管の種類が分からない場合も、触ったり、掘り進めたりして確認しようとせず、安全を優先してください。ガス臭や漏出音などがある場合は、火気や電気スイッチの操作を避け、安全な場所からガスの緊急窓口へ連絡します。負傷者や火災などがある場合は、必要な緊急通報も優先しましょう。
STEP2 管の管理者と現場責任者へ連絡する
水道・ガス・電気・通信など、設備の管理者に状況を伝え、指示を受けます。元請会社や現場責任者、発注者にも連絡し、誰が管理者とのやり取りを担当するかをそろえましょう。
自社の判断で補修や埋め戻しを進めず、専門の担当者による確認につなげることが大切です。工事前に確認した埋設物の図面や連絡先があれば、すぐ提示できるようにします。
STEP3 安全を確保してから記録し、保険窓口へ報告する
記録のために危険な場所へ戻らず、管理者の指示に従って、確認できる範囲の情報を整理します。
- 事故の日時、場所、作業内容
- 使用していた重機・工具と作業担当者
- 損傷した設備と、漏水などの状況
- 事前に受け取った図面や管理者との協議記録
- 試掘や位置確認の記録、事故前後の写真
加入先の保険会社・代理店にも事故を報告し、必要な資料を確認します。緊急の安全措置は優先しつつ、復旧作業の内容や費用についても記録を残しましょう。
埋設管事故は、重機を使うときだけではない
「大きく掘らないから大丈夫」と考えがちですが、鉄ピンなどの打ち込みでも埋設管を傷つける場合があります。
国土交通省の事例には、立入防止ロープを設置するために鉄ピンを打ち込み、水道管を破損した事故が掲載されています。重機による掘削だけでなく、小さな作業でも地下の設備を確認する視点が必要です。
外構のフェンス設置、仮設物の固定なども含め、地中に工具を入れる作業を事前に洗い出しておきましょう。
工事の賠償責任保険では何を確認する?
埋設管を破損した場合、保険の名称だけで補償を判断することはできません。契約先には、具体的な作業と被害を伝えて確認します。
- 掘削・外構・解体などの工事が契約の対象か
- 地下埋設物の損傷について、条件や補償されない場合はあるか
- 元請・下請のどの立場で行った作業か
- 管の所有者・管理者は誰か
- 管の復旧費用と、それ以外の損害をどう整理するか
- 自己負担、支払限度額、必要資料は何か
断水などに伴う費用の申し出があっても、事故との関係や負担範囲を確認する前に、支払いや保険対応を約束しないようにしましょう。安全確保、責任関係、保険の確認を、それぞれ進めることが大切です。
工事前は「図面の確認」で終わらせない
国土交通省は、埋設物の事前調査、管理者との協議・立会い、試掘、位置の表示などによる事故防止を呼びかけています。具体的な確認方法は、設備の管理者と現場条件に応じて決めましょう。
図面と現地の状況に違いがある、想定外の管が見えた、といった場合に、誰へ相談して作業を止めるかまで共有しておくことが重要です。
元請会社が持っている図面や協議内容が、下請会社や重機の運転者にも伝わっているか確認しましょう。作業範囲や担当者が変わる際も、情報を引き継ぐことが大切です。
この記事は一般的な情報提供を目的としています。緊急時は設備管理者や消防などの指示を優先してください。事故の責任関係、復旧方法、保険の補償対象や保険金の支払いは、個別の状況と契約内容によって異なります。
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参考資料(2026年10月16日確認)
- 国土交通省 近畿地方整備局「あんぜん 第255号」(2015年11月発行。埋設管損傷の事例と防止策を参照。)
- 東邦ガスネットワーク「敷地内・建物内で解体工事、増改築工事などをされる皆様へ」