小さな改修工事でも石綿の確認は必要?工務店・建設会社が着工前に整理したいことと保険

労災・建設業

住宅のリフォームや設備交換で、壁・天井・床の一部を撤去したり、穴を開けたりすることがあります。「大規模な解体ではないから」と考えず、着工前に確認したいのが、建材に含まれる石綿(アスベスト)です。

建設会社や工務店にとっては、作業する職人の健康だけでなく、施主への説明や下請との情報共有にも関わるテーマです。建設業の保険を確認する際も、普段の工事中の事故と同じように扱えると決めつけず、実際の作業内容を伝えることが大切です。

小規模なリフォームも、まず工事範囲を確認

厚生労働省の案内では、解体・改修工事の事前調査は、工事の規模の大小にかかわらず必要とされています。戸建て住宅のリフォームや、建築設備に関わる改修も確認の対象になります。具体的な作業がどのような扱いになるかは、専門家や関係窓口に確認してください。

ここで区別したいのは、「事前調査」と「調査結果の行政への報告」です。報告には工事規模などの条件がありますが、報告の対象ではないことを理由に、調査も不要とは判断できません。

見積もりの段階で、どこを撤去・加工するか、既存の調査資料があるかを整理しましょう。施主から「以前リフォームした」と聞いていても、その情報だけで今回触る建材の状態まで判断しないことが大切です。

着工前に進めたい3STEP

STEP1 手を加える場所を具体的にする

「内装工事一式」だけで終わらせず、天井の撤去、壁への穴開け、配管の交換など、予定する作業を書き出します。仕上げ材だけでなく、その下の材料に触れるかも含め、調査を行う人へ伝えましょう。

STEP2 調査の担当と結果を確認する

必要な要件を満たす調査者へ相談し、図面などの資料と現地の状況を確認してもらいます。見た目や建物の印象だけで、現場の職人が石綿の有無を判断しないようにします。調査結果に応じた作業方法も、着工前に整理します。

STEP3 元請・下請で作業範囲を共有する

調査結果を保管するだけでなく、どの場所を、どの方法で作業するかを関係者へ伝えます。追加工事で予定外の壁や下地に手を加える場合は、その部分が確認済みかを見直してから進めましょう。

「工事の保険がある」で判断しない

保険相談では、工事名に加えて、石綿に関する調査・除去などの作業を自社で行うのか、専門業者へ依頼するのかを伝えると確認が進めやすくなります。

確認したいのは、作業者の健康に関する備え、第三者への賠償責任、事故後の対応費用などが、契約上それぞれどう扱われるかです。石綿に関する損害について、対象外となる規定や条件がないかも質問しましょう。

従業員の傷害への備えを確認することと、石綿による健康影響の扱いを確認することは、分けて考える必要があります。元請の保険に加入している場合も、自社や下請の作業がどこまで関係するかは個別に確認してください。

なお、事前調査や通常の安全対策に必要な費用を、事故後の保険でまかなえると見込んで工事を進めることは避けましょう。調査・作業計画と保険の確認を並行して進めることが大切です。

POINT

「小さな工事だから」ではなく、「どの建材に、どんな作業をするか」から確認しましょう。
工事範囲・調査結果・担当業者を整理しておくと、現場の情報共有にも保険相談にも役立ちます。

注意書き

本記事は一般的な情報提供を目的としています。石綿に関する調査・報告・作業上の措置は、対象物や工事内容に応じて専門家・行政窓口へ確認してください。保険の補償範囲や保険金のお支払いは、事故状況・損害の内容・契約条件等によって異なり、個別確認が必要です。

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