労災・建設業
木材、建材、設備機器を現場へ運び、トラックから下ろす。建設会社や工務店にとって身近な作業ですが、工事そのものに入る前の搬入にも、転落や荷崩れへの備えが必要です。
「少し荷物を動かすだけ」「いつもの車だから」と、作業の段取りが曖昧になっていないでしょうか。従業員のケガを防ぐため、荷台への上り下りと、荷下ろし時の役割を確認しておきましょう。
工事開始前の資材搬入も、安全確認の対象に
荷下ろしでは、荷物の置き場だけでなく、車両を止める場所、地面の状態、人が通る範囲、荷台へ上がる方法を確認します。
荷物を抱えて無理に昇降したり、荷台から飛び降りたりする動作を避け、安全に上り下りできる設備を使う段取りが大切です。厚生労働省も、荷台への昇降時の転落防止について確認資料を公開しています。
また、地上でできる準備を先に済ませ、荷台上での移動を減らせないかも検討しましょう。安全対策は、慣れや個人の注意だけに任せず、作業方法から考えます。
元請・下請で「誰が何をするか」をそろえる
運転者、荷台で作業する人、地上で受け取る人が、互いの動きを把握していないと、思わぬタイミングで荷物が動くおそれがあります。
厚生労働省の荷下ろし事故に関する資料でも、作業責任者を定め、作業開始前に役割を明確にすることが示されています。
下請や一人親方が搬入する場合も、元請の現場担当者と、荷下ろし場所や手伝う人、合図の方法を共有しましょう。「到着した人から各自で下ろす」という進め方になっていないかが確認点です。
資材搬入前に確認する3STEP
STEP 1|車両を止める場所と搬入経路を確認
地面の凹凸や滑りやすさ、周囲の通行、荷物の仮置き場所を確かめます。安全に作業する場所を確保できない場合は、そのまま始めず現場責任者へ相談します。
STEP 2|昇降方法と作業の役割を決める
車両や作業に合った昇降設備、保護具、使用する機械を確認します。荷台側と地上側の担当者を決め、合図が伝わる状態で進めましょう。必要な安全措置は、車両や作業条件に応じて確認します。
STEP 3|荷物の状態を見て作業順を共有
荷が傾いていないか、固定を外したときに動くおそれがないかを確認します。荷物の種類や積み方に応じて下ろす順番を決め、途中で人や置き場が変わった場合も共有します。
荷下ろし中のケガは、どの保険を確認する?
建設業の保険を相談するときは、「トラックで起きた事故」という説明だけでなく、走行中か、停車して積み下ろしをしていたかを具体的に伝えましょう。
さらに、ケガをした人が自社の従業員、下請会社の従業員、一人親方のいずれかによって、確認する制度や契約も変わります。
一人親方には労災保険の特別加入制度がありますが、加入状況や対象となる業務などの個別確認が必要です。従業員と同じ扱いだと決めつけないようにしましょう。
民間の傷害保険や労災上乗せ保険についても、資材の運搬・積み下ろしを含む仕事内容と対象者を伝えて確認します。人のケガと、荷物や周囲の物の損害も分けて相談することが大切です。
資材搬入の安全は、「止める場所」「荷台への昇降」「作業の役割」から。工事中の事故だけでなく、搬入から片付けまでを含めて備えを確認しましょう。
注意書き
本記事は一般的な情報提供です。必要な設備・保護具・作業方法は、車両や現場の条件に応じて関係法令と公的資料をご確認ください。労災保険の適用、特別加入、民間保険の補償・支払可否は個別確認が必要です。
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