溶接・溶断の火花で工事中に火災?建設会社が確認したい防火対策と保険

火災・地震

手すりの補修、鉄骨の加工、改修工事での金属切断。建設会社や工務店、職人にとって身近な作業でも、火花が周囲の資材に届けば、工事中の火災につながるおそれがあります。

名古屋市・あま市・清須市など、尾張地域で建築・改修工事を行う皆さまも、「消火器を置いたから大丈夫」で終わらせず、作業場所と役割分担を確認しておきたいところです。消防庁も、2026年10月23日付の通知で、工事関係者や建物関係者への作業中の防火管理の徹底を呼びかけています。

火花が見える場所だけ確認すればよい?

溶接・溶断作業では、手元だけでなく、火花が飛ぶ先・落ちる先まで確認します。床の隙間や壁の開口部を通じた先、階下、目視しにくい場所も確認対象です。

改修工事では、壁や天井の内部に断熱材などの可燃物があるか、図面や現場の状況を確かめることも大切です。「表面が金属だから」と判断せず、見えない部分が不明な場合は、元請や建物の管理担当者と確認方法を相談しましょう。

東京消防庁の資料でも、火花の飛散先にある可燃物の除去や遮へい、作業中の監視、作業後の点検が示されています。

元請・下請・一人親方で決めたいこと

下請が溶接する現場では、「元請が周囲を確認しているはず」「作業した職人が最後まで見ているはず」という認識のずれをなくすことが重要です。

着工前に、火気を使う場所・時間、周囲を確認する人、作業中に監視する人、終了後に点検する人を決めて共有しましょう。一人親方が入る工事でも、単独で確認しきれない場所は、現場責任者に協力を求めます。

同じ場所で塗装などの別作業が予定されている場合も、工程をすり合わせておくと、火気と可燃物を近づけない段取りにつながります。

工事中の火災を防ぐ確認3STEP

STEP 1|作業前:燃える物と火花の行き先を確認

木くず、段ボール、養生材などを整理し、火花が届く範囲を確認します。除去できない物の防護は現場責任者と検討し、必要な遮へいや消火器の準備を行います。塗料・シンナーなどの危険物の近くで火気を使わない段取りも必要です。

STEP 2|作業中:監視できる体制で進める

作業者の手元とは別に、周囲や火花の落下先を確認できる体制を整えます。人の出入りや資材の搬入で状況が変わったら、いったん止めて再確認。避難通路や消火器の前に物を置かないことも共有します。

STEP 3|作業後:点検してから引き継ぐ

作業を終えた場所と火花が届いた可能性のある範囲を点検します。確認した場所・時刻・担当者を記録し、元請や次の担当者へ引き継ぎましょう。点検方法や継続して監視する必要性は、作業内容と現場の条件に応じて決めます。

建設業の保険は「何が焼けたか」を分けて確認

工事中の火災に備えるときは、施工中の工事部分、既存の建物、施主や近隣の財物、従業員のケガなど、想定する損害を分けて契約を確認します。

保険代理店へは、「改修工事で下請が溶接する」「既存建物を使いながら施工する」といった実際の作業内容を伝えると、確認事項を整理しやすくなります。工事の賠償責任、従業員の傷害、元請の契約で自社の作業がどう扱われるかも、個別に確認しましょう。

保険証券だけでなく、契約概要・注意喚起情報なども併せて読み、不明点を確認することが大切です。

POINT

火花への備えは、「作業前の周囲確認」「作業中の監視」「作業後の点検」を一組に。元請・下請の間で、誰がどこまで確認するかを具体的に決めておきましょう。

注意書き

本記事は一般的な情報提供を目的としています。防火対策や必要な手続きは、現場の条件・所在地のルールに応じて、現場責任者や管轄消防署へ確認してください。保険の補償内容・支払可否は、契約内容や事故の状況等によって異なり、個別確認が必要です。

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